現在職を探している萬年建築学生の文章。これを書くことで気持ちの整理、客観的な自己の見直しを期待。建築ネタに拘らない。
October 2008
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2008/10/06

Palla’s work for sale!

結局、全く個人的感覚、体感によるものだということが分る。

彼の武器は作為や演出、集団的に認識されたいわば記号の価値がすっぽり抜け落ちた透明だ。それは言葉にしにくい程で、あまりに攻撃性を失っている。

それだけに、かえって言葉に詰ってしまい、意識に上って来る。これは何なのかと。どうしろというのかと。そして、その倒錯が詩論となって作家の個性を霞に包む。これが作品の解題を難しくしている。

Palla 氏の新しい作品を観て来た。何メートルなんていうこれまでのものとは全然大きさが違っていた。

年季の入った低い町屋の街並にはまり込んだプレーンな筺型建物が会場で、そこへ入ると小ぢんまりとした屏風仕立の作品が棚の上に並んでいる。大半は30センチ、40センチなんて大きさの二つ折りだ。艶消しの仕上が意外な程に効いている。これまで印画紙の呪縛に縛られていた訳でもないが、上質の紙(?)のテクスチャーが透けて見えると、普段目にする類の商業印刷とは一線を画した印象だ。これがもっと大きな紙だとどうなるのか。見てみたい。

改めて振り返れば、この頃は緑をモチーフにしているせいもあって、化学的な感じが邪魔になっていたのかと思う。パソコン文化の産物に「自然素材」が似合うというのは妙とも思うが、今の自然指向の在り方とは問題なく同調する。彼は、藤森教授のように、永きに渡ってもてはやされるだろうか。その活動が特別拡がることもなく、一人だけ評価されるなんて在り方で。

実は今回の個展は、背中合わせの二つの会場に分かれているのだが、やや入り難い、もう一方の会場、銀杏庵での展示が面白い。明治のものが残ったという古い町屋がそれで、ギャラリーとは思えず、ちょっと入口で躊躇するだろうが、思い切って入って欲しい。中に今回最大の屏風とビデオ作品とが展示されている。

落ち着いた心持ちにさせる、辺りの、谷町の雰囲気に身を任せ、伝統的な都市生活を肌で感じてみる。そうして、そこにすんなりと納まった Palla 氏の作品をぼんやり眺めると、時空の可笑しさに浸れるのだ。これが残っていてよかったなとじんわり。おぉ、ここに合っているなと、すんなり思う。

行ってみれば分かるが、これらの作品には値が付けられている。いよいよなのかな。

Filed under: 日日 — cova @ 23:09
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