太田博太郎教授が亡くなった
長年にわたって日本の建築史学界を支え、先導された功績は、余人をもって代えがたい。研究には独自の建築観が反映され、時には問題にされることもあったが、現在に至る日本建築史の体系化は、『日本建築史序説』を骨子とする太田教授の構想を基点としていたといえる。その過程にあっては、知的でありながら闊達な人柄で、多くの人を支え励まされた。学界をすっかり統率して、上手く人材を配し、後進を鼓舞した。歴史的建築の保存においても、行政を相手に上手に立ち回って制度の確立に寄与した。機先を制して導いてくれる有難い人であり、建築史学が体制を整えるのに無くてはならない人だった。若かりし頃には、ラジヲ番組でインタヴュアーをされ、人気を集めたという話もある。ずっと長い間、敬愛される先覚者の役目を果たされたのだ。
そんな日本の建築史界の支柱が失われた。数年前から引退されていたとはいえ、この訃報は大きな衝撃だ。
改めてここで哀悼の意を捧げ、古き良き日本を知らせてくれた洒脱な先生に感謝したい。
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