現在職を探している萬年建築学生の文章。これを書くことで気持ちの整理、客観的な自己の見直しを期待。建築ネタに拘らない。
October 2006
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2006/10/17

被差別部落の問題が新しい局面を迎える

ここのところ、京都市職員の不祥事がよく取り上げられる。今日はなんと職務に絡んで窃盗をしたというニュースがあった。全く嘆かわしい。一連の報道を振り返ると、京都市の環境局に許せない程酷い職員が結構いることが分かる。ただ、より大きな問題なのは、地方の行政庁の腐敗が被差別部落の問題と繋がっていることだ。

ここ十年程でインターネットが普及したが、ネットの世界が拡がる中で、それまでは隠されてきた被差別部落、同和の問題が、ハッキリとした形で見えるようになった。数年前まで活躍していた野中代議士の存在もあったし、ハンナンの事件も記憶に新しい。しかしなんといっても、問題が衆目に晒されること自体が大きな出来事だ。NHK の「クローズ・アップ・現代」で今日のテーマとなっているのを見て、改めて問題の顕在化を確認した。

この顕在化が、日本の社会を根底からゆるがしていると言って過言ではない。歴史を振り返っても、最下層の階級が様様な形で特別な役割を担ってきたこともあり、文化の面においても複雑に織り込まれている。日本の社会を知ろうと思えば、宗教を学ぶにしろ経済をするにしろ、割とすぐに往きあたるところだ。そうした大きな問題が、「問題」として社会的に取り上げられるようになったことを歓迎したい。話も出来ない状態は気持ちが悪い。長い目で見て、情報の公開共有がよりよい社会をもたらしてくれると楽観するところだ。

Filed under: 日日 — cova @ 00:16
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2006/10/07

中秋の名月を眺める

中秋の名月

今日は中秋の名月。雲も出ているが、風に流されるので、しばらく待っているとぽっかり満月が顔を出す。久久にみた名月は大きく美しい。真ん丸で、綺麗に模様が浮かんでいる。わざわざ出てみた甲斐がある。輝いている。

Filed under: 歳時記 — cova @ 00:07
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2006/10/06

actual な問題を考える

prof. F を迎えて、取り留めなく話をする機会があった。そんなことはずいぶん久しぶりだった。学務に追われて忙しかったという頃は心配したが、もう元気が戻っていた。一安心した。数人が集まって、近況報告を始めながら、会場を探して街中をうろうろする。これといってしなくちゃいけないことなどないし、話もあっちへいったと思えばそこからまた別の話しに移っていく。

ただ市蔵は、何日か前に電話したらしく、ありきたりに学者の道をいくのは諦めるよう諭されていた。むしろ念を押されたというところらしい。prof. F にも気掛りなのだ。現状は厳しく、大学教員の募集があっても、事実上、建築史は門前払いというのだから、もっともなことだ。市蔵自身がそれを感じていて、長年指導を仰いだ恩師にそれとなく伝えるつもりで電話したということだった。しかし市蔵は素直には prof. の言葉を受け入れていない。現状がそうだからといって、大学が建築史を蔑ろにするのを仕方がないとは言ってもらいたくないという。

prof. のおっしゃる通り、今の建築史研究は憂き世離れしている。大学で祿を喰みながら、学術研究と文化財行政と混同する日本建築史の研究者の史観は可笑しいし、政治史や社会学にすりよる西洋建築史の態度も見過ごすことは出来ない。建築あるいは都市をつくり、手を加えることによって社会に貢献する本来の立場を忘れているのじゃないか。それぞれにはそれなりの理由をもっているが、詰まるところそんなのは言い訳でしかない。大所高所から見ると、大抵大きな矛盾を孕んでいるというのはその通りだ。

それを糾弾するのはいいのだが、しかし、その報いとして建築史が崩壊するというのは、黙って見ていてはいけないでしょう。建築史の分野でやってきた人が、前線を離れたからといって、学界が壊れ逝くのを認めたりしないで欲しい。

市蔵は乱暴な言葉を口にした。さらに、prof. F の言葉を受け入れないとまで言った。

どうしても駄目なんだという気持ちが表れていた。市蔵の啖呵を聞いて prof. の顔に苦味が浮かぶ。市蔵も言う前から分かっていたことだが、話している中で溢れる感情が抑えられなかったのだ。prof. の顔色が変わるとすぐに市蔵の語勢が弱くなった。

この話は長くは続かなかった。さっと終わり、遊びの話か何かになった。

僕が覚えているのは、prof. F が市蔵を諭した言葉だ。

建築史が actual な問題をとらえられないんだから、仕方ないよ。

そりゃあ、actual な問題は、実際に仕事をやってみないと分からないよ。

これはどういうことだろう。ある意味、僕等はみんな現実逃避をしているのか。そこまでは言わないとして、もしも学者だけが見えていないとしたら、その学者はどこにいて何を見ているのだろうか。そして、そんなどこか別の世界での作業がどんな具合に現実社会に影響するというのか。その辺りを prof. はどう考えているのかと疑問が湧いた。

Filed under: 日日 — cova @ 00:01
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