首都大学東京を巡る論議の中で
blog 「内田樹の研究室」での2005年01月20日のエントリーが引き金となって、「くびだい」の人文学分野切り捨てに対する面当てや、それを反動として捉えからかうかのような意見さえ乱れ飛んでいる。事態を整理しようとする動きも、時代の流れとして受け止めるべきだ、対応が拙かったのだから仕方ないじゃないか、という外野からの御節介な執り成しがベースになっている。最早コトが決まってしまい、引き戻せなくなっている今、外野ができるせめてものことは、「大学とはどういうものか」を改めて論議することであって、下手な慰めを口にすることではないだろう。
この論議を巡ってネットに上げられたモノの中でも、内田教授の意見は出色のものだ。それとはまた別に、大学人一般が取り組みべき課題についても、マニフェストが出来ている。こうした考えを広く問い掛けて、高等教育が直面している危機が誰もが知っておくべき社会共通の問題であり、しかもその問題への対処が遠くない将来を方向付けるのだということを認識しておくべきだ。
政治は大学に経営的な効率を突きつけている。つまり、給付する金を減らすが金になる成績を上げろということだ。これは研究機関としての評価でしかなく、土台、教育に要求することではない。ましてや、経済活動とは隔絶した研究領域の意義は全く否定している。そうした領域の学問そのものに、モラトリアムや学歴競争、大学利用のミスリードといった社会問題の責任はない。大学改革にかこつけて政治的経済的な勝ち組の囲い込みに終始するのでは、細々ながら受け継いできた社会的資産が必要以上に痛手を受けてしまう。
そういった論議を誠実に積み上げなければならないのだ。



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